神戸下町雑記

貧乏中年男子のどうでもいい備忘録

神戸下町雑記 2015/07/15

07/15「Easy Rider dTVにて

ぼくがもし当時に青春と呼べる年代でこれを観ていたら、自由や長い旅に憧れてバイクなど買っていたかもしれない、とは思います。実際当時の若者はこの虚無感にシビれたのかと思うのですが、現代を生ぬるく生きる中年のぼくとしてはなかなかにしんどい映画ではありました。

よっぽど当時憎いものが色々あったんだろうなあと思います。それは反権力というより、結局閉鎖的なヒッピーや田舎者たちに対する怒りのような。というよりこれに描かれるそれは相当辛辣で、ラストシーンなんて正直ポカンとしてしまいました。

いやニューシネマらしいと言えばそうなんですけど、彼らは別に権力に殺されるわけでもないんですよね。ただ自由に生きてたら、どうでもいい悪意に殺されてしまった。まあそれは当時のアメリカ社会のメタファーとかどうとか色々あるんでしょうけど、カンフー映画じゃないんだからそこで切られても、とか。それが当時の斬新さではあったのかも知れませんが。

謎のカット切り替えも含めて、実験的な部分はハズしているか、または普及したために今の視点だと古臭く感じてしまったりと、古い映画というのは難しいですね。王道的なものなら平気なんですけども。

それでもまあこの観終わった後の「なんとも言えない感じ」は嫌いじゃありません。また世の中がこういうものを求める時代が来るやも知れませんしね。