神戸下町雑記

貧乏中年男子のどうでもいい備忘録

映画雑記 BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)

08/07 「BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE) GooglePlayにて

ノーラン監督を含めての一連のバットマン映画やティム・バートン監督で一番好きな作品は「バットマン リターンズ」です。もちろんダークナイトも素晴らしい作品でしたが、それでもなおリターンズが本当に好きでした。そして申し訳ないのですがバットマンはどうしても悪役が目立ってしまうのもあって、マイケル・キートンの印象はそこまで強くないんですよね……。

それでも顔を見れば、禿げ上がってしまった今でもやはりあのバットマンだなあ、と思い出されます。実際のキートンがその後どうしていたのかは詳しく知りませんが、リアリティというより自虐的な設定で描かれたのがこの作品でした。

評判になったカット切り替えのない演出はただすごくて、妄想と現実の間にいる主人公・リーガンの不安定さを描けていたように思います。中盤までは観てる側も、あれ? どこまでがこれ妄想なんだろう? みたいに感じるくらいに。

ただ個人的には少し退屈にも感じました。エピソードそのものにはそこまで大きい物はないんですよね。若手の天才役者や批評家との対立もそこまで描かれるでもなく。

しかし妄想がリーガンを食らってからのラストまでは鬼気迫るものがありました。そしてこう、謎の副題「無知がもたらす予期せぬ奇跡」がなんであったのかが判明してからの、なんとも皮肉なエンディング。バードマンとはなんであったのか。実にこう、解りやすいと思うんですけども……。

この作品は一応コメディというジャンルとのことで、確かに笑ってしまう部分も多かったのですが、こんなん笑えねえよ…みたいななんとも身につまされるシーンが多くて。全体としてすごく面白いから観て! みたいな気分にはなれませんでしたけど、でもいい映画でした。あとロバートダウニーマンさんは訴えてもいいと思いました。